日本では『狂犬病予防法』(昭和25年に制定、28年に施行)に基づき、犬の登録と狂犬病予防接種などが飼主に義務付けられています。
放浪犬や迷子犬は捕獲・収容され、2日間の公示後、1日以内に飼主の引き取りやその申し出がない場合、3日後には「処分」して良いと定められています。
しかしこの法律では『公示』や『処分方法』についての規定は特になく、抑留公示期間についても「2日」以上の日数を制限するものではありません。あくまでも各自治体の条例や判断にゆだねられているのが現状です。
「処分」の方法については、自治体による判断の違いで明らかな差が生まれています。
公示期間満了後の一般譲渡を進めている自治体もあれば、譲渡事業を行っていない自治体もあり、収容された地域によって、犬たちの運命が大きく分かれているといえる状況です。
ちなみに行政により一般譲渡された犬は、全国で1万2千頭前後とここ数年、大きな変化はみられてません。
『殺処分』の方法は、ほとんどの自治体で二酸化炭素のガス室を用いていますが、これはかつて犬猫の大量処分が必要とされていた時代の名残ともいえます。
一方で麻酔薬、筋弛緩剤等の注射での処分を併用している自治体も多数あり、北海道や福井県のように愛護の啓発普及施設を持っていない自治体では、ガス室自体を導入をしたことがなく、注射による処分が行われています。(収容数が少ないことも一因)
しかし注射による処分の中には麻酔薬との併用ではなく、筋弛緩薬のみの場合もあり厳密な『安楽死』というわけではありません。
またガス処分機の老朽化が進んでいる自治体も多く、殺処分数が減ってくれば動物愛護の観点と同時に、コストの面からも殺処分方法の見直しが求められてくるでしょう。
日本では1980年〜1990年代に毎年60〜80万頭の犬が全国で処分されてきました。
野犬の減少、不妊手術の周知、一般譲渡などにより、その数は年々減少していますが、それでも平成17年度に殺処分された犬の数は全国でおよそ13万頭以上にのぼっています。
しかし将来行政による『殺処分』がなくなったとしても、問題が全て解決するというわけではありません。欧米では獣医師などの手による『安楽死』が、日本よりもはるかに多いという側面も忘れてはならないでしょう。
(平成17度末をもって、行政施設からの実験払い下げは全て廃止となりました)
従来『処分』といえば『殺処分』が大半をしめていました。しかし近年、市民の動物行政に対する関心は高く、国会での議員による質疑も行わるようになっています。
平成17年度に捕獲された犬の飼主への返還は全国でわずか2割にすぎず、以前より公示期間の延長や公示方法などについての改善が求められていました。
抑留犬の画像や情報をインターネットで5日以上公示している自治体では、飼主への返還率が5割〜6割を越える所もあり、全国平均に比べて高いこともわかっています。
2007年5月厚生労働省は、保健所が行う犬の『処分』について、できるだけ殺さず、新たな飼い主を見つけることを考えるよう全国の自治体に通知を出しました。
2006年、環境省が今後10年で捨て犬・捨て猫の数を半減させることを目標にした、動物愛護管理基本指針を発表しました。
インターネットを通じた引き取り手探しなども強化するとのことで、同年に運用が開始された『動物再飼養支援 収容動物データ検索サイト』の成果が気になるところです。
動物愛護の観点から、『収容された動物が飼い主の元へ戻る、また新しい飼い主へ譲渡される』ことを推進するために立ち上げられたものですが、現時点で参加している自治体は全国で13%と低く、「参加予定あり」が13%、「参加予定無し」が74%と、将来的に実効性のあるシステムとなるかどうかは微妙な状況です。
*データ参考:ALIVE(全国動物行政アンケートレポートより)許可を得て使用させて頂いています。
北海道のこと
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